作品の感想

「Wの悲劇」の感想。女優たちの迫真の演技に注目です!

芝居の世界や、複雑な人間関係に興味がある人におすすめです。
ストーリーの面白さに加え、人間の欲望や、ねたみ、野心など様々な心理描写も盛りだくさんです。
ただの謎解きではなく、そんな人間模様を楽しみたいならぜひ見てほしいです。
とにかく複雑な人々の気持ちが痛いほど伝わってきます。劇中劇もすばらしく、最後までどうなるのか目が離せません。
女優陣の心の内を赤裸々に表すかのような、すばらしい演技の競演に魅せられることでしょう。

作品情報

監督:澤井信一郎
主演:薬師丸ひろ子世良公則高木美保

ストーリー&見どころ

Wのひと文字に隠された愛と憎しみのドラマの開幕を告げる1ベルが鳴り響く―三田静香は劇団の研究生で、女優になるため努力を重ねる二十歳の女性。そんな静香を公園で見初めた森口は元劇団員の二十六歳、今は不動産屋の社員をしている静香は劇団の次回公演『Wの悲劇』の準主役オーディションに臨むが、同期のかおりがその役を射止め、静香は物語の冒頭でひとことだけ台詞のある端役(兼プロンプター)を担当することになった。落ち込む静香に森口は俳優時代の苦悩を語る。二人は「静香がスターになれなかったら」という条件で結婚の約束をする。そんな静香に第二のチャンスが待っていた。『Wの悲劇』公演のため大阪に滞在中、看板女優である羽鳥翔のホテルの部屋で、パトロンの堂原が腹上死してしまったのだ。スキャンダルを恐れた羽鳥は、たまたま部屋の前を通った静香を呼び寄せ、身代わりになることを頼む。

アマゾンより

「Wの悲劇」のネタバレなしの感想

劇中劇という構成が面白いです。その舞台も本格的で思わず見入ってしまいました。
たとえ才能があっても、チャンスをつかめなければ女優として開花できない厳しい世界がリアルに描かれていました。
どんな手段を使ってものし上がっていくという流れに、いやおうなしに飲み込まれていくヒロインの姿をハラハラしながらも応援したくなります。
終盤、かおりの行動にはえっと声が出てしまうくらい驚きました。その後のかおりの人生はどうなってしまうのか。
心の深いところにくい込むような女優たちのセリフの数々が胸に残ります。
見終わった後は、すがすがしさと若干の寂しさが入り混じり、複雑な気持ちになりました。
静香がこれからの女優人生をどう生きるのか見続けたくなります。




※ここからはネタバレありの感想になります。まだ見ていない人でネタバレはちょっと困るって方は見ないようにしてください。



「Wの悲劇」のネタバレありの感想

静香が記者会見で涙ながらに訴えるシーンは、見ていて泣きそうになりました。
最初はおどおどしていたのに完璧に堂原の愛人になりきっていて、それを計画した翔に嫉妬の気持ちさえ与えるほど。ここからどんな女優になっていくのか、ストーリーの展開が面白くて期待感が高まりました。本当にすばらしかった。
極度の緊張感から、舞台に上がるのをしり込みする静香を翔が説得する場面もよかった。
静香に一人前の女優としての自信と覚悟を持たせ、いい舞台にしたいという翔の気迫が伝わってきました。
とにかくふたりとも芝居が好きでたまらないという共通点がある。人生の全てを芝居に注ぎ込むような生き方が、壮絶です。
年齢も経験も全く違うふたりですが、何か通じ合うものがあったのだと思います。だからこそ静香も無謀とも思える行動に踏み切ったのでしょう。
ラストに静香が森口に対し、必死に笑顔で別れを告げるところが印象に残ります。
静香の決心に心が晴れつつも、ちょっと残念だなという気持ちにもなりました。お互い好きなのに静香が芝居を続ける以上、一緒にはいられないんでしょうか。
いつかまた、どういう形であれふたりが再会してほしいですね。そのとき静香はどんな女優になっているのか見てみたいです。