作品の感想

「大洗にも星はふるなり」の感想。笑いすぎて泣ける!

元々は戯曲で、劇場で公演されていたものを映画化した作品です。なので舞台は一切変わらず、夏が終わった海の家のみで話が展開していきます。作品の大半が回想シーンと妄想に占められているのも特徴です。こういった構成なので、舞台好きな方、コメディ好きな方に大変おすすめの映画となっています。また、全編徹底して笑える内容なので、邦画でコメディはちょっと…と思って、今までそういった軽いノリの映画を避けてきた方にもぜひ見ていただきたいです。

作品情報

出演: 山田孝之, 山本裕典, ムロツヨシ, 小柳友, 白石隼也

監督: 福田雄一

ストーリー&見どころ

クリスマス・イブの茨城県大洗海岸。冷たい風が吹き荒れる真冬の海の家に5人の男が1通の手紙で集められた。
差出人はみんなの憧れのマドンナ江里子。“まだ、海の家残っているみたいですよ。もしよかったら、イブの日にまたそこで会いたいな”
という胸ときめく手紙。なぜ彼女は5人を呼び出したのか?それぞれナンクセありの男たちは迷うことなく、ひとつの結論にいたる。
《この中に江里子の本命がいるぞっ!》本人不在の中、「江里子が好きなのは自分だ」と男たちの猛烈なアピール合戦がスタート。
そこへ現れた厳格な弁護士・関口。くだらない争いを解決するかと思いきや、まさかの参戦。このどーしようもない争いの果てに
待ち受けるキセキの結末とは!?

アマゾンより

「大洗にも星はふるなり」のネタバレなしの感想

脚本・監督は今やコメディ作品でお馴染みの福田雄一さんがされています。キャスト陣には福田組として必ずと言っていいほどキャスティングされている、山田孝之さん、ムロツヨシさん、佐藤二朗さんらが出演されています。福田監督作品や構成されているバラエティ番組のファンだったので、このキャスト陣にも期待しかありませんでしたが、一緒に見た友人とともに笑いすぎて少し泣いてしまうくらい面白い作品でした。話の構成や発想が予想の斜め上を行くのはもちろん、散りばめられた他作品のオマージュや小ネタ、キャスト陣の個性的な演技も笑いの要素のひとつです。笑い以外にもメッセージがあったはずなのですが、そんなことも含めて何も考えられなくくらい面白いんです。笑い疲れてしまいます。




※ここからはネタバレありの感想になります。まだ見ていない人でネタバレはちょっと困るって方は見ないようにしてください。



「大洗にも星はふるなり」のネタバレありの感想

脚本・監督を福田雄一さんがされていることもあって、主人公である勘違いストーカー男の杉本役に福田作品にはお馴染みの山田孝之さん、浮気大好き猫田役にムロツヨシさん、ちょい悪オヤジなマスター役に佐藤二朗さん、ミーハー弁護士の関口役に安田顕さんがキャスティングされています。さらにヒロインの江里子役が戸田恵梨香さんでした。夏に海の家で一緒にバイトをしていた仲間たち(個性的な男たち)のもとにヒロインから「イブに海の家で会いたい」という手紙が届けられ、海の家に全員が集まる所から話が始まり、なんと最後まで海の家から出ないし、ヒロインも全員の回想(および妄想)にしか登場しないんです。舞台ならではの構成なんでしょうが、映画にするとこの構成がヒロインに翻弄される男たちの哀れさを強調する装置としてうまく機能していたように感じました。男たちが自分とヒロインのエピソードを披露していくのですが、最初は髪をきっちり後ろに撫でつけて、スーツに身を包んだ杉本が、その勘違いぶりを披露するたびに周囲に指摘され、どんどん自分の記憶がただの勘違いだったと気づいていくたびに髪形や服装が乱れていく姿が最高でした。ジョニー・デップみたいだったのに、髪はぼさぼさシャツはよれよれ、目の下のクマや髭が徐々に濃くなっていき、最終的には「シザーハンズ」のようになっていくという感じです。また、ヒロインとのエピソードを聞き、誰がヒロインにふさわしいかを判断する役割だったはずの関口が「俺も江里子好きだなあ」と言い出した時には、もうおかしすぎて終わりが見えなくなっていました。ヒロインが花火を見るシーンも、ヒロインの可愛さが際立っていてよかったです。最後まで見て、自分も「江里子好きだなあ」と思いました。