作品の感想

「ボディガード」の感想。何度も見たくなる映画

『ダンス・ウィズ・ウルブズ』でアカデミー作品賞と監督賞に輝いた俳優ケビン・コスナーが歌謡界のスーパースターであるホイットニー・ヒューストンと共演したラブサスペンスだ。ホイットニー・ヒューストンはこの映画で女優デビューを飾った。
かつてカーター大統領やレーガン大統領の警護を務めた経歴を持つ元シークレット・サービスのフランク・ファーマー。しかし非番だったとはいえ、レーガン大統領が狙撃された時にその場に居合わせなかったことを今も悔やみ続けている。今はシークレット・サービスを辞めて個人でボディガードをしている。

その彼の元にスーパースターであるレイチェル・マロンの警護の依頼が舞い込んでくる。彼女には以前から多数の脅迫状が送りつけられてきており、マネージャーであるビルが危機を感じ、フランクに警護を依頼してきたのだ。
初めはフランクを邪魔者扱いして、自分が命を狙われているという危機意識が欠けていたレイチェルだが、ナイトクラブでファンが押し寄せてきたところをフランクに助けられたことをきっかけに次第にフランクに協力するようになっていく。そして2人の間には恋が芽生えていくのであった。

ケビン・コスナーの完璧な演技が何よりも素晴らしい。決して感情を出さずに、高額の報酬と引き換えに依頼者の命を守るというプロのボディガードを演じている。男ならばケビン・コスナーのように自分の大切な人を守りたいと思わずにはいられない。そして時折見せるのはレーガン大統領が狙撃された際にその場に居合わせなかったことを悔やむ姿。完璧に見えたフランクの人間らしさを見ることができる。そしてプロのボディガードとして影に生きる孤独も覗かせる。フランクの自宅は静かで、無駄な物が一切ない。必要最低限の物だけが置かれている。ただ眠りに帰るだけの家。そこにフランクの孤独が感じられる。
そしてホイットニー・ヒューストン演じるレイチェル・マロンも孤独な顔を見せる。邸宅からフランクを見下ろす姿だ。その顔はどこか暗い。フランクの中に自分と同じ孤独見ているのだろう。ヒューストンの初々しい演技だけではなく、彼女の歌も見どころだ。そんな彼女が歌う姿を見つめるコスナーの姿。心の中で何を思っているのかと想像してしまう。
初めはスーパースターとボディガードの切なくほろ苦い恋に涙して、次はケビン・コスナーの完璧な演技に酔い痴れる。そしてホイットニー・ヒューストンの歌を堪能する。一度見るだけではなく、二度、三度と見たくなってくる映画だ。