作品の感想

「レスラー」の感想。不器用な男の最高な生き様

プロレスやスポーツを扱った作品が好きな方には間違いなくオススメです。
ミッキー・ロークのファンの方はもちろん、男の世界の哀愁や悲しさ、滑稽さを味わいたい方にオススメです。
主演のミッキー・ロークの生き様とも重なる部分があり彼のキャリアをご存知の方であれば更に深く楽しめることでしょう。
(もちろんミッキー・ロークのことを詳しく知らなくても大丈夫です)
男の世界を描いた作品やハードボイルドな作品、そしてほんのちょっぴりの家族愛と恋愛要素が魅力です。

作品情報

出演: ミッキー・ローク, マリサ・トメイ, エヴァン・レイチェル・ウッド
監督: ダーレン・アロノフスキー

ストーリー&見どころ

栄華を極めた全盛期を過ぎ去り、家族も、金も、名声をも失った元人気プロレスラー“ザ・ラム”ことランディ。今はどさ周りの興業とスーパーのアルバイトでしのぐ生活だ。ある日心臓発作を起こして医師から引退を勧告された彼は、今の自分には行く場所もなければ頼る人もいないことに気付く。新しい仕事に就き、疎遠だった娘との関係を修復し、なじみのストリッパーに心の拠り所を求めるランディ。しかしその全てにつまづいた時、彼は悟る、例え命を危険にさらすことになっても、自分はプロレスラー“ザ・ラム”としてしか生きることが出来ない男なのだと―。

アマゾンより

「レスラー」のネタバレなしの感想

「男ってやつはなんて不器用で悲しくて、そしてかわいいんだろう」そう思わずにはいられない作品。

男ってやつはみんなバカなんだ、いい歳になっても昔の武勇伝や肩書を誇りに思っているし、なんならその世界にどっぷりと浸かったまま生きていきたい、しかし現実世界では確実に年を重ねていく訳であるし身体も衰える、過去の自分を知らない人だって増えていく。
でも今更新しいことに挑戦できるのか?いつまでこの世界にとどまっていられるのか?

過去の栄光にすがりつくことしかできない主人公(ミッキー・ローク)の姿は俳優としての彼自身のキャリアとも被る部分が多く、とても感慨深い。
ハンディカメラによるドキュメンタリー風の撮影が多く、臨場感を際立たせていることも大きな特徴のひとつです。





※ここからはネタバレありの感想になります。まだ見ていない人でネタバレはちょっと困るって方は見ないようにしてください。



「レスラー」のネタバレありの感想

かつて偉大なチャンピオンだったランディ(ミッキー・ローク)も歳には勝てず、体はボロボロ、今では地方の興行を転々とする老レスラー。
家族との仲も最悪で、私生活では試合のない日にはバイトで生計を立てている。
そんな彼だが身体の呼称をきっかけに再出発を考えるが・・・

印象に残ったシーンは数多くありますが
①スーパーの精肉店でのバイトを放り出して逃げ出すシーンでは彼のプライドと「俺の生きる道はリングの上だけだ」との強い意志を感じます。精肉の機械で指を負傷してしまうが平然としているシーンではやはり彼は「腐ってもレスラー」なのだと感じました。

②ライバルレスラーとホームセンターで凶器用のアイテムを物色するシーン、ここはすこしほのぼのとするシーンではありますがプロフェッショナルとしてのレスラーの生き方や仕事の流儀が垣間見える印象深いシーンです。

③やはりラストの試合のシーン、懇意にしていた女性が駆け付けるが時すでに遅く満身創痍の彼はファンの声援を浴びながらリングへ・・・見ていて号泣必死の熱いシーンです、たとえこの試合で命を落とす事になろうとも彼の生きる場所はリングの上だけなのだ。

過去の栄光にすがり、今の自分の生活はまやかしなのだ、あの頃の自分こそが本当の自分なのだという考え方ははたして甘い考えなのでしょうか?逃げているだけなのでしょうか?
不器用な主人公にはリングで戦う事しかできなかったのだ、バイトではバカにされ家族との仲も最悪で、惚れた女にも嫌われる、そんな彼が唯一輝ける場所こそがリングなのです。
ランディの不器用だけどまっすぐな、彼にとっての理想の生き方がそこにはあるのです。